天光園は福岡県大牟田市で1973年より総合的な福祉活動に取り組んでいます。


古賀あすかさん

仕事と家庭 どちらかを優先
するのではなく、ちょうどいい
バランスを見つけることが、
自然体でいられる近道


特別養護老人ホーム天光園かみうち
介護職

古賀あすかさん(コガアスカ)

2002年10月入職(中途採用)

改めて考えてみると、学生時代からのアルバイトに始まり、契約社員を経て今に至り、その間に結婚をして二人の子供を設け・・・人生の半分近くを天光園で過ごしてきました。最初は介護の仕事に就くなんて、考えてもいなかったんです。ただ、就職がなかなか決まらないときに、母からヘルパーの資格を取ってみたらどうかと勧められて、「まあ、やってみてもいいかな」という受け身な感じでの始まりでした。でも、資格の取得中に実習で実際にお年寄りと触れ合う機会があっても抵抗感はなく、その後はごく自然と介護の世界に入っていくことができました。

入社当初はくらなが本部の前身・旧みやざき特別養護老人ホーム天光園にいました。現在 天光会で展開している特別養護老人ホームのようなユニットケアではなく、ベッド数100床を超える大規模な施設でした。その頃に比べると、ここ「かみうち」は1ユニット6名という全国的にも例を見ない少人数のホームなので、利用者一人ずつに目が行き届き、働きやすさが格段に上がりました。入居の方にとっても満足度が高くなっているはずです。排泄や入浴、食事の補助などが日常の主な仕事になりますが、歯磨きやスポンジを使った口内の清掃など口腔ケアには特に力を入れています。多くの方が1日の中で食事の時間をもっとも楽しみにされていて、食べることが活力につながっていると感じます。だからこそ、その土台となる口腔のケアは欠かせないんです。そういう細やかなサポートができるのも、少人数ユニットケアのメリットですね。

今でこそ人に教えることも少なくない立場になってきましたが、最初の頃は右も左も分からず落ち込むことも多かったですね。業務そのものが分からないということはあまりなかったのですが、気持ちの部分でついていけないことが多かったように記憶しています。ある時、先輩に「周りは気にせず、自分のペースで進んでいっていいんだよ」と声をかけてもらって、その言葉がきっかけで気持ちがスッと軽くなりました。お年寄りと接することに抵抗はなかったのですが、どこかで身構えていて肩に力が入っていたのかもしれません。まだ若い自分をきちんと見ていてくれて導いてくれる先輩の存在に感謝でしたね。とても前向きになれました。

今は自分が先輩として、新しい人には常に利用者の方の立場に立って行動することを伝えています。利用者の方の中には思っていることや言いたいことを上手に表現できない方もいます。そういうときにも目線を合わせて会話をし、気持ちを寄り添わせることを大切にしましょうと、自分が先輩たちから学んだことを引き継いで教えています。

高齢化社会が進む反面、日常の中で若い人たちがお年寄りと触れ合う機会が減ってきているという事実もあります。私自身も介護の仕事に就くまでは、自分の祖父母以外との関わりはほとんどありませんでした。こういう仕事をしていて思うのは、年齢を重ねることの深みや他人を敬うこと、相手の立場になって考えることがいかに大切かということです。全て、お年寄りとの時間が教えてくれたことです。介護の仕事に興味を持っている人には、ここにはたくさんの学びがあって、人生経験が積める場所だと伝えたいですね。

私は天光園で働き始めて17年になりますが、私以外にもベテランの職員がたくさんいます。私と同じように働きながら妊娠出産をして、子育てをしながら働き続けている同僚も多いので、皆でそれぞれの立場を理解し合いながら勤務時間の調整をして無理のないように働くことができる環境が整っています。私の場合は、結婚前には夜勤を中心に働き、結婚後は日勤のフルタイム勤務に、子供ができてからは子供達の帰宅時間に合わせて7時間勤務といった形で勤務時間を変えてきました。この先も子供の成長と共に、さらに変化していくかもしれません。2人の子供の出産の際には、それぞれ1年ずつの育休を取りました。1年の休みを取っても戻ってこられる場所があって、待っていてくれる雰囲気があることも気持ち的に楽でした。でも、一番大きいのはその後ですよね。産休、育休は浸透しているけど、その後の働きやすさがあるかどうかが実は一番大事で、仕事をしている女性が最も悩む部分なんじゃないでしょうか。私の子供はまだ小学校の低学年と幼稚園に通う年齢なので、手がかかる分可愛い盛りでもあります。そういう大切な時間をできるだけ一緒にいてあげたい気持ちと、自分自身のキャリアの充実を両立できるのかという思いで板挟みになってしまっては、どちらにもいい影響は与えないと思います。どちらかを優先するのではなく、今の自分のライフスタイルにちょうどいいバランスを見つけて仕事をすることが、自然体でいられる近道のような気がします。ライフワークバランスがきちんと整っていないと、結局は全てが中途半端になってしまいますよね。

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